2026年6月3日 木田国際税理士事務所 代表 税理士 木田穣
「ドバイは安全で、所得税がなく、世界の富裕層が集まる場所」——そんなイメージは長年、海外移住を考える富裕層の間で定着してきました。しかし2026年初頭のイラン情勢により、その前提が大きく揺らいでいます。本記事では、最新の中東情勢がドバイへの移住戦略に与えた影響と、これからの海外移住のあり方について、木田国際税務会計事務所 代表税理士・木田穣がお伝えします。
2026年2月28日、イスラエルと米国がイランを共同攻撃しました。これを受けてイランは中東各地への報復攻撃を開始し、ドバイのあるUAEもその標的の一つとなりました。
・UAEの防衛システムは数百発の弾道ミサイルと1,800発超のドローンの大半を迎撃
・迎撃しきれなかったものも着弾し、3月24日時点で死者8人・負傷者161人以上が発生
・ドバイ国際空港は複数回にわたって閉鎖・再開を繰り返した
また、UAEのサイバー犯罪法によりミサイルや被害現場の撮影・SNS投稿は禁止されており、帰国後の日本からのSNS投稿でも逮捕リスクがある旨の外務省からの注意喚起も出ています。
今回の情勢から最も重要な教訓は、「複数の国で長期滞在ビザまたは永住権を事前に確保しておく」ことの重要性です。
・タイランドエリートビザとドバイ在住権の両方を持っていた方は、ドバイからタイへスムーズに生活拠点を移すことができた
・ドバイ一点に集中していた方は、空港閉鎖・治安悪化の中で身動きが取れなくなるリスクを抱えた
複数拠点の維持はコストに見えますが、実はリスクヘッジであり、家族の安全への投資です。
節税や生活コストだけで移住先を選ぶと、地政学リスクが顕在化したときに対応できなくなります。
・ジョージア:ビザなしで長期滞在できる利便性があるが、ロシアと国境を接するリスクも
・オーストラリア・ニュージーランド等の南半球:地政学的リスクが相対的に低く、今後注目が集まる
・ポルトガル・パナマ:中東情勢を受けた富裕層の新たな移住先として流入が増加傾向
海外に預金や資産を保有している方へ——その資産、有事のときにすぐ海外送金できますか?
・ミャンマーのように、ドル資産を預けても強制的に自国通貨に換えられ、国外送金が事実上できなくなった事例もある
・資産の置き場所として信頼できるのは、政治的安定性があり外貨の国際送金に実績があるシンガポール・スイスの金融機関
地政学的リスクが低く、送金の自由度が高い国の金融機関に資産を置くことが、今回改めて重要性が確認されました。
ドバイ一極集中の時代から、複数拠点を前提とする時代へ——このシフトが今回のイラン情勢によって加速しました。海外移住の戦略は「どこに住むか」だけでなく、「複数の国でどのような選択肢を確保するか」を考える時代になっています。現在の移住先候補や保有ビザの状況を改めて専門家と整理されることをお勧めします。
木田国際税務会計事務所では、各国のビザ専門会社と連携し、最新のビザ・永住権情報を常に把握しています。「どの国に選択肢があるか」「自分の状況にはどの国が向いているか」といったご相談に個別にお答えしています。
料金:1時間 44,000円(税込)
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