2026年1月7日 木田国際税理士事務所 代表 税理士 木田穣
オーストラリアは、その安定した治安と豊かな自然、日本との時差の少なさから、移住先として根強い人気を誇ります。しかし、近年のビザ制度は大きな転換期を迎えています。
今回は、オーストラリア大使館での査証官(イミグレーションオフィサー)としての経歴をお持ちの、AOM Visa Consulting代表・足利様をお招きし、2025年最新のオーストラリアビザ事情についてお話を伺いました。
かつては「資産を投資することで永住権を得る」という、富裕層にとって最もシンプルで確実な移住ルートが存在しました。しかし、残念ながらこの投資家ビザは2024年に全面的に終了となりました。
現状: 現在、投資のみを目的とした永住権の取得は極めて困難。
理由: 豪政府の方針転換により、現在は「労働力の確保」や「技術移転」を重視する方向へシフトしています。
では、アーリーリタイアした40代・50代の方がオーストラリアに住むには、どのような選択肢があるのでしょうか?
オーストラリアで働く意思はなく、日本と行き来しながらライフスタイルを楽しみたい方には、長期観光ビザ(サブクラス600)が現実的な選択肢となります。
一般的なETAとの違い: 通常の観光(ETA)は3ヶ月までの滞在ですが、長期観光ビザを申請すれば、6ヶ月から、ケースによっては最大12ヶ月の滞在が許可される可能性があります。
活用例: 「5ヶ月滞在して一度日本に帰国し、数週間休んでからまた数ヶ月滞在する」といった二拠点生活(デュアルライフ)が実現できます。
注意点: >審査官は滞在履歴を厳格にチェックしています。「実質的に居住している」とみなされると、次回のビザ発行が難しくなるリスクがあるため、専門家のアドバイスが必要です。
お子様の教育をきっかけとした移住も非常に人気があります。特にオーストラリアは、アメリカなどと異なり、6歳の小学校入学時から学生ビザが取得できるのが大きなメリットです。
対象: 18歳未満の留学生の保護者(片親のみ)。
期間: お子様が18歳になるまで継続して滞在可能。
条件: 原則として就労は禁止。お子様と一緒に居住し、ケアすることが求められます。
「お母様とお子様がオーストラリアに住み、お父様は日本やシンガポールで仕事をしながら、ETA(通常の観光ビザ)や長期観光ビザを使って時々遊びに来る」というスタイルで生活されているご家族は多くいらっしゃいます。
シンガポールやマレーシアといったアジア圏の国々と比較しても、オーストラリアには独自の魅力があります。
地政学的な安定性: 先進国としての安定感。
キャリアの広がり: お子様が将来的に永住権を目指せる道筋が(アジア圏より)描きやすい。
ライフスタイル: 教育環境だけでなく、自然と都市のバランスが理想的。
駐在員の方でも、帰国間際になって「なんとかしてこの国に残る方法はないか」と相談に来られる方が絶えないほど、住みやすさには定評があります。
投資家ビザの廃止により、以前のような「お金を出せば住める」時代は終わりました。しかし、長期観光ビザや親子留学など、ご家族の状況に合わせた代替案は存在します。
まずは一度滞在してみて、オーストラリアの空気感を肌で感じてみることからスタートしてみてはいかがでしょうか。
後編では、さらに踏み込んだビザの条件や、具体的な成功事例についてお聞きします。
【お問い合わせ】
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ビザの相談: AOM Visa Consulting(足利代表)
税務の相談: 木田国際税理士事務所