タイでの生活を経て、次の移住先に選んだのは中東のドバイ。
Sさん一家は、異なる文化圏の中でどのように新しい暮らしに適応し、家族として成長していったのでしょうか?
今回は、東南アジア・タイでの子育てから、中東ドバイへの移住に至るまでのストーリーを伺いました。
木田: 初めての海外生活として、タイを移住先に選ばれたのですね。お子さまの教育についてはどのように考えていましたか?
Sさん: はい。上の子が3歳になるタイミングで、インターナショナルスクールの幼稚園に入園しました。もともと、英語環境に触れさせたいという思いがあったので、自然な流れでしたね。
木田: 日本人幼稚園ではなく、インターナショナルスクールを選ばれた理由は何かあったのですか?
Sさん: 迷いはありませんでした。タイに住んでいる日本人の家庭でも、インターを選ぶ人が多かったですし、何より学校の教育スタイルに魅力を感じていました。
詰め込み型ではなく、子どもたちが自分の考えを表現できる環境があって、個性を尊重するカリキュラムが気に入りました。子どもも毎日楽しそうに学校へ通っていたので、結果的にとても良い選択だったと思います。
木田: タイの次にドバイへ移住されたのは何年頃だったのでしょうか?
Sさん: 2021年の8月頃ですね。今でこそドバイ移住する方が増えていますが、当時はコロナ禍直後だったこともあり、ほとんど日本人は見かけませんでした。
木田: ドバイ移住が決まった時、ご家族の反応はどうでしたか?
Sさん: 夫から「次はドバイに住むのはどうだろう?」と話が出たとき、最初は驚きました。でも、タイでの生活にも慣れていたので、新しい環境に飛び込むことへの抵抗はあまりなかったですね。
むしろ「今度はどんな世界が待っているんだろう?」とワクワクしました。
木田: ドバイというと暑さや文化の違いが気になるところですが、不安はありませんでしたか?
Sさん: もちろん、最初は気候や文化の違いに適応できるか不安でした。でも、ドバイは治安がとても良いことでも知られていますし、子育て環境としても整っていると聞いていたので、むしろ楽しみのほうが大きかったですね。
旅行で訪れたときも、都市全体が綺麗でインフラが整っている印象を受けたので、「ここなら大丈夫」と確信しました。
木田: ドバイではどのように住まいを探されたのでしょうか?
Sさん: 最初はホテルに滞在しながらエリアをリサーチし、その後Airbnbでアパートメントを1カ月ほど借りて、じっくり探しました。最終的に、一戸建ての家を購入することに決めました。
木田: ドバイというと、高層ビルが立ち並ぶ都市のイメージがありますが、実際の住宅環境はどうでしたか?
Sさん: 私たちが住んでいるのは静かな住宅街で、高層ビルが建ち並ぶエリアとは少し離れています。遠くにブルジュ・ハリファが見えるくらいで、普段の生活圏は落ち着いた環境です。一戸建てが多く、庭付きの家も珍しくないので、子育てには最適ですね。
木田: 多国籍な環境でのママ友づくりも面白そうですね。どのようにして知り合いができたのですか?
Sさん: 主に学校を通じてですね。特に仲良くなったのはドイツ人のママ友でした。彼女がちょうど出産したばかりだったので、育児の話をするうちに意気投合して、よく一緒にお茶をするようになりました。
木田: 言葉や文化の違いで戸惑うことはありませんでしたか?
Sさん: ありましたね(笑)。ママ友同士の会話はビジネスの場とは違って、カジュアルでスピード感があるので、最初はついていくのが大変でした。でも、完璧に話せなくても、気持ちが伝わればOK!と割り切るようになってからは、どんどん会話が楽しくなりました。
文化の違いを楽しむ余裕ができると、一気に視野が広がるんですよね。
第3回では「ドバイでのリアルな日常生活」をテーマに、医療事情、事故対応、そしてデジタル化された街・ドバイの便利なサービスなどについて詳しくお話を伺います。お楽しみに!
4人家族で海外移住を経験し、現在はドバイ在住。
これまで東南アジア・タイと中東ドバイで生活し、現地での子育てを実践。
多国籍な環境の中での暮らしや教育に精通している。