海外移住と聞くと、ワクワクする一方で、不安を感じる方も多いかもしれません。
しかし、現実は思い描いていたものとは違い、驚きや挑戦の連続です。
今回は、自らの意思で東南アジア・タイへの移住を決断し、その後中東のドバイへと拠点を移し、現在もドバイで暮らしているSさんにお話を伺いました。
第1回では、最初の移住であるタイでの生活、出産、そして海外での子育ての始まりについてご紹介します。
木田: これまでの海外移住経験について、まず簡単に教えていただけますか?
Sさん: はい。私たちは4人家族で、夫と私、そして小学生の子どもが2人います。
これまでにタイで約4年暮らし、その後ドバイに移住し、現在もドバイで生活しています。
木田: 最初に海外で暮らし始めたのはいつ頃だったのでしょうか?
Sさん: 結婚後すぐに、夫婦でタイに移住しました。子どもが生まれる前で、まったくの未知の世界に飛び込むような感覚でしたね。
木田: 海外生活のご経験はその時が初めてだったのですか?
Sさん: はい。高校時代に短期間アメリカに滞在したことはありましたが、長期で住むのは初めてでした。英語もそれほど得意ではなく、タイ語はまったく話せませんでしたので、最初は小さな買い物ひとつでも苦戦しました。
木田: お子さまはどちらでご出産されたのでしょうか?
Sさん: 1人目は日本に帰国して出産しましたが、2人目はドバイで出産しました。
それぞれ全く違う環境での出産は、想像以上に大きな経験になりました。
木田: 特にドバイでの出産は珍しい体験かと思いますが、不安はありませんでしたか?
Sさん: 意外と不安は少なかったんです。ドバイは治安がとても良いことに加え、医療も整っているので安心感がありました。医療費も思ったほど高額ではなく、病院の設備も充実していて、結果的に無痛分娩でスムーズに対応していただき、良い出産体験ができました。
木田: お子さまが幼い頃からインターナショナルスクールに通われていたとのことですが、最初はどのように学校を選ばれたのでしょうか?
Sさん: 最初にタイで、3歳の娘をモンテッソーリ教育を取り入れたナーサリー(保育園)に入れました。その後、小学校のタイミングでブリティッシュ系のインターナショナルスクールに進みました。
当時は、英語教育を本格的に考えていたわけではありませんが、せっかく海外にいるなら多様な経験をさせたいと思い、インターを選びました。結果的には良い選択だったと思います。
木田: 現地の学校とのやり取りで苦労されたことはありましたか?
Sさん: もちろんです。学校からのお知らせがすべて英語で届くので、持ち物の準備や行事の確認には慣れるまで時間がかかりました。
また、現地のママ友とのコミュニケーションも、最初は言葉の壁、文化の壁を感じました。会話の内容や価値観が日本とは大きく異なり、戸惑うことも多かったです。でも、少しずつ慣れてくると、それぞれの国の考え方や文化の違いを知るのが楽しくなり、いつの間にか世界が広がっていきました。
第2回では、タイからドバイへ移住された際の経験を中心に、現地でのママ友との出会いやインターナショナルスクール事情、学校選びのポイントについてお話を伺います。お楽しみに!
4人家族で海外移住を経験し、現在はドバイ在住。
これまで東南アジア・タイと中東ドバイで生活し、現地での子育てを実践。
多国籍な環境の中での暮らしや教育に精通している。