これまで全4回にわたり、Sさんの海外移住と子育ての経験についてお話を伺ってきました。
結婚後、夫婦でタイに移住し、その後中東のドバイへ。多国籍な環境で家族と共に新しい生活を築いたSさんの経験は、多くの発見やチャレンジに満ちたものでした。
完結編では、インタビュアーである私・木田がそのお話を振り返り、印象的だったエピソードを交えながら、海外移住の魅力と課題についてまとめます。
Sさんのお話で特に印象的だったのは、最初の移住先であるタイでのエピソードです。
「まっさらな状態からのスタートだった」
この言葉の通り、Sさんはタイ移住を決意した当初、英語も得意ではなく、現地の言葉もわからない状態でした。
それでも、
「せっかく移住するなら、その国の文化を楽しみたい!」
という前向きな気持ちで生活をスタートさせたそうです。
特に驚いたのは、タイでの子育てやインターナショナルスクールでの経験。
「日本とはまったく違う教育スタイルに触れ、子どもが想像以上に伸び伸びと成長した」
という言葉が印象的でした。
日本の教育とは異なり、「個性を尊重し、自己表現を大切にする」スタイルの中で、子どもたちは驚くほど積極的に学び、コミュニケーション力もぐんと伸びたのだとか。
次の移住先、ドバイでの生活もまた、興味深いものでした。
「ドバイと聞くと暑さや文化の違いが気になるかもしれませんが、実際は治安が良く、非常に快適な都市でした」
この言葉から、ドバイのイメージがガラッと変わりました。特に、多国籍な環境の中での暮らしは、まるで映画のワンシーンのようでした。
また、ママ友との会話を通して英語力が自然と向上したという話も印象的でした。
「最初は言葉の壁を感じましたが、相手も完璧な英語を話すわけではないと気づいた瞬間、気楽になれました。大切なのは“伝えようとする気持ち”なんですよね」
語学の壁を乗り越え、多国籍な環境の中で自分らしく生きる力を身につけたSさんの経験は、多くの人に勇気を与えるのではないでしょうか。
Sさんのエピソードの中には、「親としての成長」を感じさせる瞬間がいくつもありました。
海外での生活は決して楽なものではなく、学校の手続きや医療の対応、子どもの英語環境への適応など、数えきれないほどの困難に直面しました。
それでも、どんな状況でも冷静に対応し、家族で乗り越えていくうちに
「家族の絆がより強くなった」
と語っていたのがとても印象的でした。
特に、2人の子どもたちが多国籍な環境の中でのびのびと育ち、異文化に対して柔軟な考え方を持つようになったことは、Sさんにとって何よりの喜びだったそうです。
「親が一生懸命サポートしなくても、子どもは驚くほど早く新しい環境に順応していくんです。その姿を見て、逆に私たち親のほうが学ぶことも多かったですね」
Sさんのお話から学んだことを、これから海外移住を考えている方に向けてまとめてみました。
学校選びや医療事情など、現地のリアルな情報を入手することが大切です。
Sさんも移住前には、現地に住む日本人のブログやSNS、口コミを活用してできる限りの情報を集めたそうです。
異文化に適応するのは簡単なことではありません。
しかし、**「新しい文化を楽しむ姿勢」**を持つだけで、移住後の生活がぐっと充実したものになります。
移住前に英会話教室に通わせたり、外国の文化に触れる機会を作るだけで、移住後の適応がスムーズになります。
インタビューを通じて感じたのは、
「海外移住はただの挑戦ではなく、家族として成長する大きな機会である」ということ。
Sさんご一家は、移住先での困難や課題を乗り越え、新しい文化や価値観を受け入れる柔軟な家族へと成長されていました。
その過程で、
「家族で支え合いながら生きていくことの大切さ」
を改めて実感したそうです。
「移住を考えている方には、ぜひ一歩を踏み出してみてほしい。大変なこともあるけれど、それ以上に得られるものがたくさんあるから」
Sさんの言葉には、海外移住を経験したからこそ伝えられる説得力がありました。
これからも、新しい環境でどんな素敵な経験をされるのか、楽しみにしています。
Sさん、たくさんのお話をありがとうございました!
4人家族で海外移住を経験し、現在はドバイ在住。
これまで東南アジア・タイと中東・ドバイで生活し、現地での子育てを実践。
多国籍な環境の中での暮らしや教育に精通している。